賃貸物件(プロパティフォーレント )は、大家さん(ランドロード Landlord)の所有する物件を賃貸業者(レッティングエージェンシー Letting Agency)を通じて賃貸契約を結びます。
住宅にはステューディオ、フラット、テラストハウス、セミデタッチトハウス、デタッチトハウスのような種類がありますが、世帯の大きさだけでなく、次のようなことも選ぶ条件に加えてみて下さい。
- 家具付き(ファーニッシュト)、家具なし(アンファーニッシュト)、どちらが良いか
- 車を持っている人は、駐車場あるいは駐車スペースがあるか
- シャワーのみ、またはバスタブも必要か
- 家具付きの場合、洗濯機と冷凍冷蔵庫は完備されているか
- 洗濯物を干すスペースは屋内もしくは屋外にあるか
- 庭は必要か
- 大家さんや(*)、フラットメイトと物件をシェアすることも検討可能か
- 暖房についての確認を是非してください
(*)大家さんとシェアすると、テナントではなくて、ロジャー(Lodger)という立場になります。ロジャーとしての権利、保険などはテナントと違いますので、注意してください。追加情報がシェルター(Shelter)というハウジングチャリティーのウェブサイトにあります。
ロジャーについての追加情報はこちらのリンクをクリックしてください。
街のあちこちにあるレッティングエージェンシーで物件写真を見ることもできますが、賃貸、売買を扱う次のウェブサイトが便利です。
物件の立地環境、勤務先や学校からの距離、業者の評判も調査して物件を決めましょう。
良い物件を見つけたら、エージェンシーに予約を取り、実際に物件を見に行きます。
安全のため、単身の方は必ず友人や知人と一緒に見に行き、また夜に物件周辺の治安を確認する方が良いでしょう。
家賃とその他の費用
- スコットランド
手付金(デポジット)は通常1ヶ月分の家賃ですが、大家によっては3ヶ月分を要求することも少なくありません。
テナンシーデポジットスキームという制度があり、契約終了時に大家からデポジットを返してもらうことができます(家族間の賃貸等一部例外を除く)。
(*)ロジャーの場合、大家はスキーム制度に従う必要がないので、ご注意ください。
家賃の他の費用としては、光熱費やカウンシルタックス(地方税)があります。スコットラドでは、カウンシルタックスに上下水道代も含まれます。
ステューディオ、フラットなど集合住宅の場合、共益費も家賃に含まれているか確認が必要です。
- イングランド
デポジットは、家賃の合計額が年間5万ポンド未満の場合、5週間分以下の金額、年間5万ポンド以上の場合、6週間分の金額と制限されています。
イングランドにもテナンシーデポジットスキームという制度があり、スコットランド同様、双方合意の上で契約終了時(終了後10日以内)にデポジットを返してもらえますが、スコットランドでは大家のスキームへのデポジット納入が義務づけられているのに対し、イングランドでは必ずしもそうではありませんので、確認が必要です。
契約
- スコットランド
契約はテナンシーアグリーメント(Tenancy Agreement)と呼ばれます。スコットランドでは次の二つが主な契約形態となります。
ショートアシュアード(Short Assured)
最も一般的な契約形態で、期間は最低6ヶ月。最初の6ヶ月終了時、さらに数か月の契約延長が可能。契約書にサインする前または入居前に大家またはエージェンシーからAT5というフォームが届いていることを確認。
アシュアード(Assured)
大家と取り決めた一定の期間
契約形態によって、大家とテナントの権利と責任が異なってきますので、最初に契約形態をはっきりさせておく必要があります。
また、契約書はしっかり読んで、内容を把握しておきましょう。不安な場合は、サインする前にチャリティ団体シェルターからアドバイスをもらうこともできます。
ノンアシュアード(Non assured)
又は コモンローアグリーメント (Common Law Agreement)は大家とロジャーが住居をシェアする契約形態。ロジャーの権利がテナントとは違いますので、注意してください。
(*)ロジャーの場合に口頭契約(Verbal Agreement)のみの形態という可能性もありますので、文書の契約書がほしいと大家に要求することもできます。
スコットランド政府が詳しく説明しています。
https://www.mygov.scot/housing-local-services/renting-property/renting-from-a-private-landlord-cat/
- イングランド
テナンシーアグリーメント(Tenancy Agreement)
はアシュアードショートホールドテナンシー(Assured Shorthold Tenancy)と呼ばれる形態が一般的です。この他、ロジャー(Lodger)とライセンス(Licence)という形態があります。
アシュアードショートホールドテナンシー(Assured Shorthold Tenancy)
契約可能期間は最短6ヶ月から最長7年間まで。大家と話し合って決めます。必ず文書で契約書をもらい、心配な場合はサインする前にチャリティ団体シェルターでアドバイスをもらうこともできます。
英国政府が詳しく説明しています。
入居
入居時、インベントリー(家具一覧表)に基づいて、家具の数、状態をチェックし、あらためて家の中の湿気がないか、スモークアラームが作動するか、電化製品の安全、水漏れの有無、施錠に問題がないか、またガスや電気(イングランドでは水道も)メーターの数値を大家さんかエージェンシーの担当者と一緒に確認します。メーターの写真を撮っておくのも良い考えです。
家屋と家具付きの物件の場合は備え付けの家具について、大家が保険に加入しますが、自分の家財については家財保険に加入済であることを確認しましょう。
電気・ガスの契約についてはエージェンシーに確認できます(既存の契約会社、またはエージェンシーが勧める供給会社の場合、料金の割引があることもあります。
大きな都市では、賃貸物件市場の変動が激しく、良い物件を見つけたと思ってもすでに借り手が決まってしまっていることもあります。焦って詐欺に遭わないように気を付けてください。
万が一詐欺に遭ってしまったら→困ったときに
- シェルター
- カウンシルに連絡を取る