この度は、レコードジャケット(レコードスリーブとも言います)を中心に、英国の1960年代~70年代、ロックの歴史でも重要な時代、転換期と言われる20年間を二回に分けてご紹介していきます。

私が英国盤レコードに興味を深めていった始まりは、音楽そのものというより、レコードジャケットアートに惹かれたことからでした。しかも発売当時のオリジナル版となれば、ジャケットの表面上もアンティークっぽく少し焼けた感じになり雰囲気も出てなおさら良いかと思っていました。

この時代は1960年代のビートルズを代表とするバンドブームに始まり、ブルースロック、サイケデリックロック、プログレッシブロック、ハードロック、パンクロックと様々に変化を遂げていきます。まずは前半のバンドブームからブルースロックを経てサイケデリックの時代までをご案内いたします。

バンドブーム:

ビートルズがデビューシングル「ラヴ・ミー・ドゥ」を出したのは1962年。この頃はブリティッシュ・インヴェイジョンというブームに乗り、英国のバンドがどんどんとアメリカ進出を果たしていきました。作詞家・作曲家が与えた曲を歌手が歌う従来のパターンから、バンドメンバーが自ら曲を作り歌うという時代の変わり目だったと言えます。

<レコードジャケット>

ビートルズのファースト・アルバム、「プリーズ・プリーズ・ミー」(1963)です。この頃のジャケットはバンドメンバーが皆で正面を向いているのが特徴です。「ファイヴ・ライヴ・ヤードバーズ」(1964)は今も現役で活躍中のエリック・クラプトンがメンバーだったヤードバーズのファースト・アルバムです。彼は当時未だ10代の青年でした。

以下、バンド名/アルバムタイトル(発売年)

ブルースロック:

もともと19世紀にアメリカで産まれたブルースですが、英国のバンドマン達によって見直されアメリカ本国でなく英国でロックとの融合によって新たに蘇り、ブルースロックとしてブームになりました。ローリーング・ストーンズやエリック・クラプトンなどが有名です。

<レコードジャケット>

英国ブルースロック・バンドを引き立てていったのがジョン・メイオール&ザ・ブルースプレイカーズ。

エリック・クラプトン、ピーター・グリーンが加入していた頃のものです。ピーター・グリーンは1967年にブルースロックのバンドとして活動を始めたフリートウッド・マックの創設メンバーの一人です。

サイケデリックロック:

次に来るのが、1960年半ばから後半に掛けてのサイケデリック・ムーブメント時代。ドラッグ(幻覚剤)や、ラブ&ピースが合言葉だったヒッピー文化の最盛期で、アジア・インドの文化・伝統など異国文化の影響も顕著です。それ迄ポピュラーだった恋愛を歌う歌詞から、人生観や世相(当時はベトナム戦争真っ只中でした)など、より抽象的な内容の歌詞や、曲も録音テープを逆回転させたり効果音を入れたりする実験的な音楽へと変遷していきます。

<レコードジャケット>

ビートルズのあの名盤、第8作目のオリジナルアルバム「サージェント・ぺパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」。1966年のビートルズの日本公演、その翌年に出されたアルバムです。この頃からジャケットのアート性が顕著になってきたと思います。ザ・ローリングストーンズのジャケット写真は3Dで、しかもライバルであるビートルズの4人の顔が埋め込まれていたりしています。

如何だったでしょうか?

レコードジャケットもその時代の流行やパターンが顕著に反映されています。次回はサイケデリックロックがさらに進化を遂げたプログレッシブロックの時代をご紹介します。

宜しければまたお付き合い下さい。

それでは、また。

Yoshi : 北東イングランド在住の某メーカー系商社駐在員

【語彙集】 
ブルースロック                                Blues rock  
サイケデリックロック                              Psychedelic rock  
プログレッシブロック                              Progressive rock   
ブリティッシュ・インヴェイジョン                  British invasion  
ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ(バンド)       
                                           John Mayall & the Bluesbreakers  
フリートウッド・マック(バンド)                   Fleetwood Mac